滞在日記

ヤマジ君

 

 

どうせ性別適合手術をするならタイでやりたい!と決めてからは早かった。
日本で手術をしたほうが金額は高いけれど、自分の周りの家族や仲間が安心するだろうなと思った。
だけど、タイで手術をしたら良い人生経験になるかなとか、思いネットで調べ、

さまざまなアテンド会社からソフィア・バンコクを選びました。
実際わからないことばかりで、本当にこの会社は存在しているだろうかとか、騙されてないかな、

とか疑えばキリがないくらいだったけど、だったら騙されても良いって思える会社を選ばないとな、

って思っていたことなど、今では笑い話です。

 

3月20日にタイ入国。
夜中だったのに無風。
気温はどのくらいだったかわからないけど、すごく暑くて汗だく。
無事アテンドの方と合流してホテルに。
腹が減ってたから、アテンドの方と一緒に屋台で飯食って就寝。

手術日前に性別適合手術の書類をもらうためにカウンセリング。
先生から聞かれることはほとんどなく終了。

 

23日手術日当日は、点滴に始り除毛に浣腸で終わり。
毛深いオレは自分で剃ってくればこんな無駄に痛い思いをしなくても良かったのか!と思ったり。
手術時間は10時間くらい。
手術室の入り口までアテンドの方と友達が見送りにきてくれて、元気よく「じゃあな!」と。
後ろを振り返ると友達が泣いていることに気がついて、みんなを安心させるために笑うことしかできなかった。
手術室に入って点滴に麻酔を入れられたけど、全く効かずしばらく目が開いたまま。
そしてマスクをされて、「死んでたまるか!!」と叫んだ瞬間、麻酔で記憶が飛びました。

 

手術後は朝までナースが付きっきりで介護してくれました。
ここからの退院までの間が一番辛かった。背中とベッドがくっつくか心配になるほど。
痛くて寝返りもできないし、ずっと仰向けの状態でご飯も食べられず、水だけ。
オナラが出るまで固形物は禁止といわれ、水→ココア→スープ→お粥→ソバみたいな。
入院中は暇すぎて寝られなくて、時間の感覚がなくて朝だと思ってナースコール押して、

「部屋のカーテン開けて!」って言って開けてもらったら外はまだ真っ暗だったり。

抜糸も消毒はナースが丁寧にやってくれ、初めてベッドから降りて歩いたとき、

アテンドの方が固形物禁止で苦しんでいたときに、こっそりゼリーをくれたり、

背中と腰が痛いと言ったオレに友達が枕とクッションを買ってきてくれたり、

入院中は本当にいろいろな方に支えられ、お陰で傷の治りが早く、あまり痛みを感じることなく乗り越えられました。

退院後は尿道の管をつけたまま、1日2回通院して、オレは傷よりもガーゼを貼るテープを剥がすときのほうが痛かったです。
毛深いと本当に損だね。

通院中に昼飯や、夜飯をアテンドの方と食べたり、観光したり、本当に良い思い出になりました。
そして、生きているうちにあんなにも患部をマジマジと真顔で見られることも、
写真に撮られることも一生ないと思います。

術後の抜糸やドレーンを抜くときなど、いつも側にいてくれたアテンドの方やナース、友達。
心から感謝しています。
FTMもMTFも、本来の自分に戻るためにみんな命がけで手術をして

戸籍を変えたりしている現状を自分の目で見れて本当に良かった。
ソフィア・ファミリーの一人になり、この思い出は一生忘れません。

 

連絡先

【ウェブサイト】

http://star.nibi.jp/d/zinda/1/0/?guid=on